企業の社長になるには、学歴が必須条件ではありません。ということはもちろん中卒であっても何ら問題はありません。
ですが、勇気と行動力は必要で、それを実践した岡村陽久氏にスポットをあててみました。
学歴は”一判断基準”でしかない
繰り返しになりますが、社長になるためには、絶対に学歴が必要と言うことではありません。歴史をたどれば、パナソニックの松下幸之助氏や、本田技研工業の本田宗一郎氏がそうであったように中卒の大社長は存在しています。
確かに大企業ではその数自体は少ないですが、中小企業やベンチャー企業などだと、その数は、すぐに多くなります。そもそも学歴は、いわゆる資格に似たもので、それを持っている人の方が、持っていない人よりも絶対に優れているとは言えません。調理師免許を持っているが、日頃料理をしない人よりも、毎日料理をしている主婦の方が、美味しい料理を作れるのと同じです。
岡村陽久さんは、松下幸之助の生き方に感銘を受け、たったの2ヶ月で高校を中退し、ビジネスの世界へ足を踏み入れました。
若干26歳(当時最年少)での東証マザーズ上場
岡村氏は、自ら起業する20歳までに、2社に身を置くわけですが、ともに飛び込み営業が中心の会社でした。自分の足で稼ぎ、両社でトップクラスの成績をあげ営業力も身に着けていきます。
そんな時に、大きく影響を受けたのが、サイバーエージェントの藤田晋社長(当時26歳)だったとのことです。これからの時代はインターネットというキーワードと、そして社長に年齢は関係ないと刺激を受け、自ら起業する決断をします。実は、岡村さん自身、サイバーエージェントの門を3度も叩いていました。そこで採用されていれば、当時最年少の東証上場が実現しなかったかもしれません。
何はともあれ、2001年に、広告代理店 アドウェイズエージェンシー(以後、株式会社アドウェイズに変更)を大阪市で設立します。創業時はパソコンを触った経験もなかったそうですが、サイバーエージェントの徹底研究から始まり、クリック保証型の広告を提供していくところからビジネスをスタートさせます。この研究心と、先読みするアイデアこそが岡村さんの武器なのだと思います。ビジネスは刻一刻と変化しますが、仮説検証のサイクルを早く、小さく挑戦し続けることで成功を収めていきます。そして2006年には、26歳で東証マザーズに上場するという当時最年少の記録を打ち立てます。
意思決定のスピード
その後すべてが順風満帆だったというわけではありません。数々のトラブルを克服して現在に至るのは、岡村社長の意思決定のスピードにあると思います。マイクロソフトのビルゲイツもその著書で、「意思決定のスピードがビジネス成功を左右する」と表現しているくらい、経営に重要な要素であります。
アドウェイズも上場した半年後の、売上激減と大量の新卒採用が重なった時期は、最大の危機だったと言っています。当時、複数エリアへのビジネス進出をしていましたが、原点回帰で本業への専任、優秀な人材の投入などをいち早く実行に移します。自らも報酬を相当カットし、風呂なし四畳半へ引っ越すなど、その行動力はなかなか真似できるものではありません。他社からはフライング経営と揶揄されても、意思決定のスピードが武器である岡村さんは動じません。数々の危機を乗り越え、現在は200億を超える売上に、従業員は連結で800名を超える大会社に成長しています。
その会社に息吹を与えたのは、学歴ではなく、まさしく勇気と行動力であると思われます。中卒でも、成功している岡村社長の今後にも注目していきたいですね。
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