【箱根駅伝2016】チームの想いを一人で背負う予選会敗退校のエース 国学院大学 細森大輔

スポーツには勝者が入れば敗者がいる。立川で行われた箱根駅伝2016予選会も例外ではありません。

国学院大学の大誤算

敗者の中で最も「誤算」だったのが國學院大學だと思います。前評判では、エース不在と言われているチームであったものの、さすがに落ちることはない、と言われていました。選手たち自身も、近年はシード権争いをするチームとして、予選会は通過点という印象が強かったと思います。今回の予選会は集団走(同チームの選手を集団で走らせることで、遅れる選手を減らすという箱根駅伝予選会ならではのレーススタイル)で臨みましたが、一番の敗因はそれがうまくいかなかったことでしょうか。実際に現場でみてみると、細森大輔以外の動きがかなり悪かったのも気になりました。流れに乗り切れなかった。それに尽きる、悔やまれる予選落ちでした。

エース・細森の箱根への再スタート

http://pr.kokugakuin.ac.jp/group_activity/2015/01/03/145000/

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しかし箱根駅伝2016にはオープン参加として「関東学生連合チーム」が設けられています。予選会で好走した細森はそれに選出。国学院大学の選手として唯一箱根路を駆け抜けるめどが立ちました。(実際には当日変更が可能なので当日まで100%走るとは言えません)

今回あえて細森にエースという言葉を付け加えましたが、実際には細森はエリート選手ではありません。チームには常に前を走る蜂須賀源(3年)の存在があります。富山の名門・富山商出身ではあるものの、京都で行われる全国高校駅伝では一年生の時から4区29位(00:25:04)、3区22位 (00:25:29)、1区37位 (00:31:08)とどれも凡走。前回の箱根駅伝も6区を走って区間14位と、全く日の目を見ない選手でした。

(写真は前回大会 箱根駅伝2015で6区を走る細森 参照元)

細森を変えた「予選会」

しかしそんな細森を変えたのが今回の予選会でした。前半から果敢に攻めの走りで終わってみればチームトップ。この舞台で初めて「エース」に成長したのです。その後の細森は全日本大学駅伝一区で区間14位ながら国学院新記録を樹立、11月の記録会では10000mで29’22″67(自己ベスト)を記録。去年の29分57秒18から大幅な成長をしたことは間違いありません。

背負う「チーム」の期待

関東学生連合には予選会で個人6位の山口修平(創価大4年)を中心に、工藤隼人(3年)、武藤健太(国士舘大4年)、丸山竜也(専大3年)等が選出されました。いずれも近年、箱根路を盛り上げた名門校のエースです。しかし、その中でも抜きんでて前評判の高かった国学院のエース「細森」だからこそ背負うものがあるのは間違いありません。今回右足のけがで予選会を走れなかった蜂須賀源(3年)や、最後の箱根を逃した吾妻佑起(4年)、そして全ての仲間、来年度のチームのために。細森が肩から掛ける襷(たすき)には「名門・国学院」の意地とプライドの象徴です。彼のエースらしい走りが楽しみに待ちましょう。

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