【箱根駅伝2016】優勝候補「青山学院」の知られざる強さの裏側

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前回大会の箱根を監督自らが「ワクワク大作戦」と称して優勝した青山学院。出来過ぎか、と思ったレース展開ではありましたが、今シーズンに入ってそれはまさに「実力」となり各レースで強さを見せつけました。しかし、強さにはきっと理由があるはずです。今回は青山学院の強さの裏側に迫ります。

エース 久保田和真の存在

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「駅伝は足し算じゃない、掛け算ができる選手が必要。」これは青山学院・原監督の言葉です。そしてこの掛け算ができる選手の筆頭こそ久保田和真。青山学院というと山の神と言われる「神野大地」を思い浮かべる方も多いと思いますが、関係者の中では最も強いランナーとして久保田を挙げる人は少なくありません。そしてこの久保田こそ、チームを裏で支える強さの秘訣だ、と言われています。

久保田は熊本の名門・九州学院出身。師走の京都で行われる全国高校駅伝ではエース区間の1区で、当時鹿児島実業の高田(現・早稲田)や、服部(勇馬/現・東洋)などを抑えて区間賞。インターハイや国体でも活躍する高校屈指のエリートランナーでした。そんな久保田が進学に選んだのが青山学院大学。今でこそ強豪校ですが、当時は山の神・柏原竜二(現・富士通)率いる東洋大学と、それを追う駒沢・早稲田という勢力図の大学駅伝界です。久保田の選択は駅伝ファンたちを驚かせました。(写真・出典)

青学を変えた久保田の存在

そんな久保田の存在が、青山学院を変えたのは間違いありません。実際久保田が入学してからの箱根駅伝は8位→5位→1位と右肩上がり。ではなぜ、強さの裏側が神野ではなく久保田なのか。それは久保田がしてきた経験にあります。

九州学院は駅伝の名門校であるのは前述の通りですが、久保田は高校時代からジョグの練習のとき必ず芝生を走っていました。トラックではなく、芝生です。柔らかい地面で走ることにより、足首の力が強くなり、ロードやクロカンでも安定した走りができることは言うまでもありません。そしてなんと、神野もそれに影響されて芝生を走っていました。これは山対策として神野自身が考えたことではありますが、高校時代から芝生やクロスカントリーを好んだ久保田のアドバイスもありました。そう考えると、久保田なしで山の神の存在はなかったのかもしれません。

逆境を乗り越えた久保田だからこそ、マネをする

久保田は経歴だけみればエリート選手ですが、特に二年生の時はあまりいい走りが出来ませんでした。2014年、右脚腸脛靱帯を手術。一時はいわゆる二軍寮に落とされたこともありました。しかし、その二軍寮から這い上がった久保田をみて影響されたのが池田生成です。池田は佐久長聖出身。上野裕一郎(DeNA)や佐藤悠基(日清食品グループ)、大迫傑(ナイキ)という名ランナーを輩出した名門校出身の池田ですが、二軍寮にいる時間が長いランナーの一人でした。しかし、そんな池田が、久保田と二軍寮で過ごすと、いきなり関東インカレ二部ハーフマラソンで優勝。これは偶然ではありません。久保田の持ち前の明るさが池田に「あきらめないことの大切さ」を教えたのでしょう。

青山学院の強さとは

青山学院を支える強さを紹介する際、監督の采配・指導力がピックアップされることが多くあります。しかし仲間に影響を与えるまさに走りでも生活でも「掛け算」ができる久保田の存在。これが青山学院の強さの、知られざる裏側であることは、間違いありません。

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