残り三週間と迫った箱根駅伝2016。ほとんどのチームが最後の調整合宿に入り、ここまできたら「走力」もさることながら「調子」も大切になってきます。そんなこの時期だからこそ、「調子」という観点から今年の展望を予想していきます。
優勝候補はやはり青学
誰が何といっても、ここは強い。
青山学院に関しては、今大会出場校の中で唯一、本調子でなくても勝てるチームであります。
前回大会では、当時の区間記録保持者、山の神といわれた柏原竜二(東洋大-富士通)の記録を抜いた神野大地を中心に圧倒的な勝利。(写真右、参照元)
11月の記録会では、学生トップランナーの証とされる「10000m28分台」の選手がチーム内で11人目となりました。つまり青学では10〜11番手の選手が、もし他大学に移籍したら即エース格、というレベルです。それに加えて、今季は高校時代から全国的な活躍をしてきた久保田和真が絶好調。ロードの実力は高校時代から折り紙付きの同選手には、駅伝における大事な要素「流れを変える」力があります。
まさに破格の実力を兼ね備えた青山学院。神野の調子がよくないという現在の状況下でも優勝候補筆頭です。
鉄紺の意地を魅せられるか、東洋大学
それを追うのが今年の全日本大学駅伝を制した東洋大学。ダブルエース服部兄弟は既に日本選手権等でも活躍する長距離界屈指のランナーです。そして全日本大学駅伝優勝の立役者となった口町亮(写真右、参照元)が依然好調をキープ。そのほか主要区間を担うべき選手が全員好調という点も、さすが東洋です。青山学院との決定的な違いは山本修二や小笹椋といった一年生がメンバー争いに絡んできそう、という点にあります。一年生の勢いというのは直接チームの士気を高める大事なエッセンスです。今回はその勢いと、鉄紺の粘り強さに期待が隠せません。
二強に食い込めるか、駒澤・早稲田・東海
今年の大学駅伝では青学・東洋に駒澤を入れた三強と称するメディアもありますが、直近の調子を見るとむしろ二強+三校の見方が妥当です。駒澤大学は世界大会の経験もある中谷圭佑が好調。前回の箱根で好走した工藤や全日本六区間賞の馬場など個々の仕上がりは良いのですが、層の厚さという面で二校に劣る感は否めません。
それに対して今シーズンから監督変更となり新体制の中、勢いがあるのが早稲田大学。全日本大学駅伝の一区では中村信一郎(写真右端・参照元)が一時は服部勇馬(写真中心・東洋大)の前に出るなど見せ場を作りました。そして今大会、関係者の中でダークホース的存在だと言われているのが東海大学。エース白吉凌が11月頃からレースに復帰。高校時代は世界ジュニア等経験豊富な廣田雄希もここにきて復活の兆し。以上三校にはぜひ優勝と上位入賞を狙ってほしいところです。
まとめ
残り三週間となり、いよいよ盛り上がってきた箱根駅伝。これから急激に調子が上がってくる選手もいるのでぜひ頑張ってほしいと思います。
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