英国留学おじさんが考察するゲス不倫ベッキーに見る顧客目線の落とし穴

ゲスの極み乙女。川谷さんとベッキーさんの不倫問題が発覚し、すでに4カ月近く立ちます。

もう、世間のみなさんの関心から外れかけてきているのではないかと思いますが、

今さらながら、ベッキーさんのゲス不倫の対応を、危機管理の際の一貫性の重要性と経営における顧客目線の重要性とを交えて考察してみたいと思います。

ちなみに、なぜベッキーさんが、ゲスの乙女さんのはまってしまったのかを考察した記事は、

こちら(「ゲス不倫はベッキーの恋愛経験のなさ・劣等感・絶妙なタイミングが生んだ大きな過ちだった」)。

危機管理の基本は、一貫性。

留学時代に、危機管理と言うコースで、あるケーススタディをしました。

それは、大手スーパーマーケットの幹部として、

匿名の電話「あなたの扱っている商品の1つに毒物を混入した」に対して、どのような順番でアクションをとっていくか?

と言うものでした。

アクションの候補には、

「警察に相談する」・「緊急取締役会をひらく」・「電話の真偽を調査する」・「対象となる商品を全品販売中止にして、商品を引き上げる」…

などがありました。

チームに分かれて、順番を考えるわけですが、各チームの順番はバラバラ。

その結果を発表するのを聞いて、講師は正解は言いませんでしたが、

「言っていること(What we say we do [Espoused theory] と実際の行動(what we actually do [Theory in use])に違いが出るものである 」

それでも、

「やると言ったことをやる(Do What We Say We Will Do”)」

一貫性が重要だと語りました。(このあたりは、アージリスやクーゼス&ポズナーの本を読むと良いでしょう。)

英国スーパーマーケットTESCOとTOYOTAの危機対応の違い。

そのあと講師は、

「イギリスのスーパーマーケット最大手TESCO」と「TOYOTA」

の危機発生時の対応の違いを実例として紹介しました。

 

実は、あの毒物混入事件は、実際にTESCOで起こった話で、その時のTESCOの対応は、即時全店舗を緊急閉店すると言うものでした。

その損失は非常に大きく、また毒物混入の真偽はわからない状態で、その判断をしたのです。

消費者は、その対応をしたTESCOを称賛し、その後、TESCOの利用者が増え、事件で起きた損失を優に上回る利益を生むことになりました。

 

一方、TOYOTAの例は、あの大規模リコールの事例でした。

TOYOTAの一部の車種で急加速する恐れがあるにも拘わらず、それを放置したとしてアメリカで問題になった事例です。

その際のTOYOTAの対応は、安全性を主張し、リコールなどの対応をすぐにとりませんでした。

結果として、TOYOTAの対応は非難され、その後、TOYOTAの業績は落ち込み、それを回復するのに長い時間がかかりました。

大切だと言うことと、それを最優先にして行動することの差

「人の命は大切で、それを最優先する」

と言うと当たり前に聞こえるかもしれませんが、

「それを実際に行う」

と言うのはなかなか難しいことが、この事例でわかります。

 

前置きが長くなりましたが、ここからベッキーさんのゲス不倫問題の対応を見てみましょう。

ベッキーさんのような芸能人の場合、

「ファンが一番大切で、ファンを一番に考えて行動する」

と言うと当たり前のように感じますが、ベッキーさんは果たしてそのように行動したでしょうか。

ベッキーさんにとって一番大切なものは?

企業経営にとって、顧客目線は非常に重要です。

顧客を最重要視し、経営戦略を立てて成功している企業は枚挙にいとまがなく、

実際に、顧客志向のビジネス戦略の重要性は、留学中の多くの講義で語られました。

しかし、企業にとっての顧客とは、1つに限りません。そこにジレンマが生まれるわけです。

ベッキーさんのゲス不倫騒動では、どのような顧客が存在し、それにどう対応したのか見ていきましょう。

 

ベッキーさんは、週刊文春の報道を受けて、すぐさま謝罪会見を開きました。

これは、非常に良い判断だったと思います。その会見では、ファンに対して、しっかりと謝罪をしていました。(ファン・もしくは一般の視聴者が、1つ目の顧客ですね。)

しかし、その会見後に出た第2弾の文春砲に対して対応をとらなかったことが、非常に残念でした。

そのことが、会見での謝罪を陳腐化させて、ベッキーさんを非常に悪い立場に置くことになります。

数カ月たった今でも、ベッキーさんは、ファンへの沈黙を貫いています。

 

しかし、一方で、番組共演者や番組プロデューサーなどには直筆の手紙を書いていることが報道されています。(番組プロデューサーが第二の顧客でしょう。)

この報道を見たときに、私は、大きな違和感を感じました。

「あれっ、ベッキーって一番ファンを大切にしてるんじゃなかったんだっけ?」

と感じたのです。

そして、

「あっ、ベッキーが本当に大切にしてるのは、仕事をくれる番組プロデューサーや、仕事を一緒に作っていく番組共演者なのか」

と思いました。

私のように感じた人は少なくなかったと思います。

 

 

また、予定されていた2回目の会見が、急遽TV局のプロデューサーから待ったがかかり中止になったと言われる件を見ても、

「ファンへの対応」より、「プロデューサーの意向」を大切にするのだと感じさせました。

 

もちろん、ベッキーさんがビジネスをしていく上で、番組プロデューサーや共演者が大切なのは間違いありません。

特に、番組プロデューサーの意向は大切なのでしょう。

なぜなら、彼らが起用してくれなかったら、ファンの前に出る事もできなくなるわけですから。

また、ベッキーさんが出演していた番組は、高視聴率番組ばかりで、その制作費足るや数億円でしょうから、

その金額の大きさを考えてみても、番組プロデューサーを大切にすることは、ビジネス上非常に重要なことです。

 

しかしながら、ファンの立場から見ると、違和感を感じさせられます。

 

鶏と卵の話になってしまいますが、ベッキーさんの仕事を考えると、

ファンがいるから番組に出られる面と、番組に出られるからファンを作れる面があります。

このジレンマに、ベッキーさんと、その事務所関係者は悩んでることでしょう。

そんな彼らに私が聞きたいのは、

「今後ベッキーさんはどちらを一番大切にしていくの?」

と言うことです。

ファンの立場から見ると、ぜひ、ファンを一番に対応してほしいと考えるわけですが、ベッキーさんの現状を見るとそれは難しいのかも知れませんね。

それであれば、それで良いと思うのですが、ぜひベッキーさんには

「言っていること(What we say we do [Espoused theory] と実際の行動(what we actually do [Theory in use])」

との一貫性を持ってほしいと思います。

現状のように、ファンより、番組プロデューサーを大切にした行動をとったベッキーさんが、もし、復帰後に

「ファンが一番大切なんだよ」

なんて言った日には…。

そんなことは、ないことを祈っています。

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